@超音波検査の原理
人間の可聴音域は20〜20000ヘルツといわれており、超音波とはこれより高い音域をいいます。超音波検査は、この超音波が体内の臓器などにあたって、はね返ってきた音(エコー)をとらえ、画像化する検査です。

A腹部超音波検査の特徴
近年,腹部超音波検査の発展はめざましく、広く臨床の場において活用され、その特徴から腹部症状がある場合やスクリーニング検査において第一選択の検査法として確立されています。特に最近では、次々と新技術が誕生し、臨床的に優れた検査法として認識されています。
(1)非侵襲的な検査法で手軽に行うことが可能
体外式超音波検査は、体外から超音波の出る機械をおなかに当てるだけなので検査による痛みもありません。さらに原理として音(超音波)を利用するため]線検査と異なり被曝がないことからも非侵襲的な検査法として、繰り返し行うことが可能です。また、特別な前処置を用いることもなく、操作も簡便なことから、検査は必要なときに直ちに行うことができます。ただし事前に検査をすることが分かっている場合は食事を控えていただいた方が、よりよい観察が可能となります。
(2)検査の対象部位は広範囲
観察する部位は、肝臓・胆道・膵臓・腎臓・牌臓など実質臓器のみならず、血管や細い管腔の胆管そして膵管まで広範囲である。さらに最近では、従来は困難とされていた消化管まで幅広く観察の対象臓器になっています。なお、これらの観察は個別に行われるのではなく1回の検査で同時に観察していくことが可能であり、効率的に病態の関連性を知るうえで非常に優れています。また、リアルタイムで観察できるのも超音波検査ならではの特徴といえます。
(3)検査の目的も幅広い
検査はスクリーニングから精密検査さらに緊急検査まで幅広く用いられ、最近では集団検診の場でも活用されています。検査の結果は、検査を行いながら判読していくため診断の即時性にも優れています。

B腹部超音波検査の長所・短所
長所
@腹音波検査は、音(超音波)の出る機械をおなかに当てるだけのため、患者様にとっては苦痛がありません。
A]線検査のような被曝がないことからも非侵襲的な検査法として、繰り返し検査することが可能です。
B特別な準備を必要とせず、操作も簡便なことから、検査は必要なときに直ちに行うことができます。
(検査を行うことが事前に分かっているときには食事を控えていただき、排尿もある程度我慢していただいた方が、よりよい観察が可能となります)
C観察できる部位は、肝臓・胆道・膵臓・腎臓・脾臓など実質臓器のみならず、血管・胆管・膵管など広範囲です。
D最近では、従来は困難とされていた消化管まで幅広く観察の対象臓器になっています。
E多くの臓器を1回の検査で同時に観察していくことが可能であり,効率的に病態の関連性を知るうえで非常に優れています。
F検査はスクリーニングや精密検査さらに緊急検査まで幅広く用いられます。
Gリアルタイムで動態画像の観察が行えます。
H検査の結果は,検査を行いながら判読していくため検査の結果がその場で得られます.
Iカラー・パワードプラ機能を用いることによりにより,リアルタイムで病態の血行動態が観察できます。
J病変の立体的な把握が可能となります。
短所
@患者様の状態(消化管ガスや体格)などの要因や検査士の技術に観察の精度が大きく作用されます。
A超音波検査が苦手とする臓器(胃・腸・膵臓の一部など)も存在します。
腹部超音波検査には、このような長所・短所がありますが、腹部領域において、症状がある場合にも、スクリーニングにおいても、第一選択の検査法の一つとして確立されています。

C当院の超音波検査
服部胃腸科では平成18年度の1年間で約5200例の超音波検査を行わせていただきました。
そのうち肝細胞癌9例、胆嚢癌4例、胆管癌4例、膵臓癌9例、腎細胞癌4例、胃癌11例、大腸癌10例、その他3例の悪性疾患が発見され、治療されました。
日立メディコ 超音波診断装置 EUB−7500
◆超音波と内視鏡との関連性
腹部超超音波検査は胃や腸などの消化管の検査としては不向きといわれてきました。
しかし、服部胃腸科では消化器専門施設として以前から超音波でも積極的に消化管を見るようにしてきました。
また、超音波検査で消化管に何か異常が疑われた場合、速やかに内視鏡検査へと移行できるという利点もあり迅速な診断・治療が行えると考えられます。
フルデジタル超音波診断装置を導入
腹部超音波検査の発展はめざましく、次々と新技術が誕生し、広く臨床の場において活用されています。
デジタル超音波装置の特徴としては,コンピューター制御されているため,さまざまな処理を同時にかつ短時間に行えるというメリットがあります。
服部胃腸科に導入されている超音波診断装置には次のような最新の機能が備わっています。
@高感度カラードプラ機能
音源は近づいてくるときには送信した音より高く(周波数が高く)、遠ざかるときには送信した音より低く(周波数が低く)なります。この原理は救急車のサイレンでよく知られる『ドプラ効果』という原理に基づいています。この原理を利用して腹部超音波検査ではこの効果に分かりやすいように色をつけて(カラードプラ)、主に血流を測る際に利用しています。 この機能を使うことにより、腫瘍の血管構造、血流状態、腹部主要血管の変形、蛇行、動脈瘤の有無などの観察に有用となります。
通常の超音波画像 カラードプラ機能を用いた超音波画像
画面中央部に腫瘍が存在します。 ドプラ機能を用いることで腫瘍への血流状態など多くの情報を得ることができます。腫瘍部へと流れ込む血流が豊富であり、腎細胞癌と診断されました。
Aティッシュ・ハーモニック・イメージング(THI)
超音波ビームは体の中を伝わっていくに従い、ノイズ成分が増えてきます。ティッシュ・ハーモニック・イメージング(THI)はこのノイズ成分を信号処理で除去することによって画像観察の妨げとなるアーチファクト(虚像)を低減し画像の分解能を向上させる技術です。 胆嚢内部と壁の微小病変の観察、膵臓微小病変の観察、腫瘍性病変内部の構造などの観察に有用となります。
通常の超音波画像 THI機能を用いた超音波画像
胆嚢にポリープが見られます。 THI機能を用いることにより、より鮮明に観察することが可能です。
BHI Compound(多方向画像の重ね合わせ)
1枚の画像を作成すために複数方向への送受信を行い、重ね合わせることで空間分解能を向上させ、リアルタイム性も損なわない技術です。 この機能を使うことにより、腫瘍性病変や結石の輪郭や境界をきわだたせ明瞭な画像を作ることができます。
CHI REZ(適応型フィルタ)
作成した画像にさらにフィルタ処理を施し、人間が見て各臓器を認識しやすいように最適化する技術です。 この機能を使うことにより、腫瘍性病変内部の構造・境界、胃壁や腸壁の状態、炎症(腫れ)の有無などを観察するのに有用となります。
このような高画質化技術を使用し、精度の高い診断を行い、病変の早期発見を目指しています。

超音波検査の画像
各臓器が超音波でどのように映るのでしょうか?
肝臓(左葉) 肝臓(右葉) 膵臓
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胆嚢 右腎臓 左腎臓
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脾臓 腹部大動脈