ポリープ切除

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ポリープとは

ポリープ画像

ポリープは形態的な名称で、粘膜から盛り上がったものをすべてポリープと呼びます。ポリープには、腫瘍性のものもあれば、炎症など腫瘍でないものも含まれます。良性でがん化の恐れがないものから、がんそのものまで幅広い種類があります。

早期発見・早期治療の重要性について

がんは日本の死亡原因の第一位であり、年間30万人以上ががんで死亡しています。その中でも胃がんや大腸がんは死亡原因の上位を占めています。
これらの早い時期に発見できれば、完全に除去して治すことが可能です。
胃がんや大腸がんは、早期に発見されると苦痛の少ない内視鏡治療でポリープおよびがんを完全に切除できます。ポリープを早期に発見し、がん化する前に内視鏡で切除することをおすすめします。そのため、定期的に内視鏡検査を受けましょう。

胃ポリープについて

胃ポリープとは

胃ポリープは、胃の内部の表面に形成される小さな突起や腫瘤を指します。これらのポリープは、胃の粘膜やその直下の組織から発生します。
大部分の胃ポリープは良性であり、症状が現れることは稀です。しかし、一部のポリープは出血して貧血の原因になったり、がん化する可能性があります。そのため、定期的な検査が推奨されます。

胃ポリープの種類

腫瘍性ポリープ

・腫瘍性ポリープには、隆起型の胃がん、胃腺腫、胃カルチノイドなどがあげられます。
・隆起型の胃がんは診断がついた際には、内視鏡治療または外科治療することが望まれます。
・胃腺腫は悪性・良性の境界病変と考えられています。がんとの鑑別が難しいことや、数%のがん化リスクがあるため、内視鏡切除が適応されます。

非腫瘍性ポリープ

・非腫瘍性ポリープには、胃底腺ポリープや過形成性ポリープがあります。
・がん化は稀で、通常は経過観察されます。
・しかし、大きくなると出血や通過障害の原因となることがあり、この場合は内視鏡切除が行われます。

胃ポリープの症状

通常は明確な症状を引き起こしません。胃ポリープが大きくなると出血することがあり、貧血の症状が現れることがあります。特に、心筋梗塞や脳梗塞などの持病があり、血液を固まりにくくする薬を常用している方や、慢性腎不全で血液透析治療を受けている方は出血しやすいので注意が必要です。
黒色の便、貧血による立ちくらみ、全身のだるさなどの症状が出現する可能性があります。

大腸ポリープについて

大腸ポリープとは

大腸粘膜にできる「いぼ」の様な隆起性病変。ポリープは、大きく分けて非腫瘍性のものと、腫瘍性のものがあります。非腫瘍性のものには、炎症性や、過形成性といわれるものがあります。腫瘍性のものには、大腸ポリープのうち8割以上を占めるとされる腺腫や「がん」が含まれます。(腫瘍性のものの中には、隆起性の病変だけでなく、陥凹した腺腫やがんも存在します)

大腸ポリープの症状

大腸ポリープは初期では自覚症状がありません。ポリープが大きくなって、大腸の内腔を塞ぐほどになると、便の通過障害が起こり、便秘になったり下痢になったり、腹痛が現れたりする場合があります。また、便が通るときにポリープと擦れて出血することもあります。

大腸ポリープ切除方法

コールドポリペクトミー

コールドポリペクトミーは、スネアを用い通電せずに物理的にポリープを切除する方法です。主に9mm以下でがんを疑わない無茎性、あるいは平坦型病変が適応となります。この方法の長所は、穿孔や後出血が少ないことです。短所は、病変の遺残が問題となることがあります。

EMR

大腸の病変の粘膜下に生理食塩水を注入し、スネアという処置具を用いて病変とその周囲の粘膜組織を切除・回収する治療法です。

ポリープ切除後の注意点

食事について

ポリープ切除当日は、消化に良い柔らかい食べ物を選びましょう。お粥、素うどん、豆腐、ゼリーなどがおすすめです。翌日から3日かけて、徐々に通常の食事に戻していってください。

飲酒

飲酒は1週間程度控えてください。アルコールを摂取すると血流が促進され、合併症のリスクが高まります。

服装について

身体を締め付ける服装やベルトを強く締めることも腹圧を上昇させます。1週間程度は、ゆったりとした服装を選びましょう。

運動について

当日の運動は厳禁です。翌日からは散歩程度なら可能ですが、ジョギング、ゴルフ、テニスなどの激しい運動や腹圧がかかる運動は、術後1週間は控えてください。

入浴について

翌日からシャワーは可能です。術後1週間はシャワー程度にとどめてください。それ以降は入浴が可能です。

水分について

術後は、いつもより多めに水分を摂取してください。便秘を避けるために、積極的に水分を取るよう心がけましょう。