大腸がんは大腸に発生するがんです。腺腫という良性の大腸ポリープががん化する場合と、正常な粘膜から直接発生する場合があります。 大腸全域にがんができる可能性がありますが、日本人は特にS状結腸と直腸にがんができやすいです。大腸がんは増殖しながら大腸壁の奥に進み、外側に広がります。 進行すると、腹膜播種やがん細胞がリンパ液や血液に運ばれて他の臓器に転移することがあります。
大腸がんのリスクには、食生活の欧米化があります。特に肉の多い食事や、果物・野菜の摂取不足が影響します。 さらに、肥満や運動不足、喫煙、飲酒もリスクを高めます。家族に大腸がんの患者がいる場合も、発症リスクが高くなることが知られています。
特に血便や下血は痔などの良性疾患でも見られるため、放置するとがんが進行してから見つかることがあります。早期発見のためには、これらの症状があるときは早めにご相談ください。
大腸カメラ検査は、大腸の粘膜を詳細に観察するための検査です。肛門から細いスコープを挿入し、先端に付いたカメラや照明で大腸内部を観察します。 この検査は、大腸がんやポリープなどの早期発見に非常に有効です。
内視鏡的治療は、早期がんで切除部位が小さい場合に行います。ポリペクトミーや内視鏡的粘膜切除術(EMR)を用いて、病変を切除します。 この方法は出血や穿孔のリスクがあるため、専門的な知識と技術が必要です。
薬物療法(化学療法)は、がんの進行度に応じて単独で行う場合と手術の補助として行う場合があります。
放射線療法は主に直腸がんに対して行われます。
内視鏡治療ができない早期がんや進行がんでは手術が必要になります。