新しい内視鏡の形、「カプセル内視鏡」検査について
従来の内視鏡検査というと、細いカメラを口や鼻から通すものでした。
こうしたカメラでも食道や胃などの検査は十分に可能ですが、実は小腸の検査は少し難しいとされているのをご存じでしょうか。
当院では、これまで難しいとされていた内視鏡を用いての小腸検査を実現するために、新しい形の内視鏡を導入いたしました。
それが「カプセル内視鏡」です。
カプセル内視鏡を用いることで、これまで見落とされていた小さな病変もしっかり見極めることができるようになりました。
今回はそんなカプセル内視鏡について、どのようなものなのか、どんなメリットがあるのか、実際の検査の流れについてなどをご紹介していきたいと思います。
「小腸カプセル内視鏡」とはどんなもの?
カプセル内視鏡とは、超小型カメラと無線機能を搭載したカプセル型の内視鏡です。そのまま飲み込んでいただくだけで、小腸の状態を映像として確認することができます。
いくら小さいカプセル型であるとはいえ、「機械を飲み込む」というと少し怖いイメージがあるかもしれませんが、これまでの内視鏡検査よりも患者様の負担は少なく、健康面のリスクもほぼありません。
飲み込んだカプセルは体内を撮影しながら移動し、小腸に達すると小腸内の粘膜表面を細かく撮影して映像化してくれます。約8時間で5万枚ほどの画像を撮影し、データとして自動記録されるため、その情報をもとに医師が診断を行います。
カプセル内視鏡の特徴とメリット
カプセル内視鏡の最大のメリットは、これまでの内視鏡と比べて患者様の負担が大きく軽減できるという点でしょう。
カプセルの大きさは直径11ミリ✖長さ26ミリととても小さいため、飲み込む際も苦痛を感じることはありません。
また、検査中に長時間病院で待機する必要はなく、患者様は通常通りの生活を送っていただけます。
これまでの内視鏡検査では、どうしてもカメラを挿入する際に気分が悪くなってしまったり、喉や鼻の粘膜を傷つけてしまったりという問題がありました。そういった問題も解消できるカプセル内視鏡は、これからの内視鏡検査において欠かせない形となっていくでしょう。
このようにカプセル内視鏡は、長時間の検査を受ける時間がなかなか取れない方、これまでの内視鏡検査がどうしても苦手という方、小腸の疾患が気になる方など、幅広い患者様のニーズに応えられる検査機器です。
当院での検査の流れについて
カプセル内視鏡検査を受けられる前日には、なるべく19時までに夕食を済ませ、その後の飲食は控えておくようにしてください。
なお、喫煙習慣のある方は検査の24時間前からタバコを控えるようにしましょう。
検査当日は、まず病院でアンテナを貼り、記録装置を腰に装着します。
その後、カプセル内視鏡をお水と一緒に飲み込んでいただきます。カプセル内視鏡が体内にある間、激しい運動は控えていただく必要がありますが、ご自宅やお仕事など普段通りに生活いただくことが可能です。
検査は約8時間で終了しますので、終了後に再度ご来院いただき、アンテナと記録装置を外します。飲み込んだカプセルは排便の際に体外に排出されますので、ご安心ください。
カプセル内視鏡から送られてきた映像は、専門の医師がしっかりと診断を行い、患者様へ結果をお伝えいたします。
カプセル内視鏡検査を行う際の注意点
カプセル内視鏡の検査中は、アンテナと記録装置を装着しているため、激しい運動や強い衝撃が加わるような行動は避けていただくようにお願いします。
また、排出されたカプセル内視鏡は自治体や医師の方針に従って回収、破棄する必要がありますのでご了承ください。
カプセル内視鏡の検査は、短い方で3時間程度、長い方では10時間程度と終了までに個人差が生じます。
検査中も水分補給やお食事は可能ですが、なるべく4時間以上経ってから行うようにお願いします。その際は刺激の強いものや食べ過ぎ、飲み過ぎには注意しましょう。
そのほか、電子機器による支障や携帯電話による影響など、気になることがありましたら事前に医師に相談の上、不安のない状態で検査を受けていただけたらと思います。
医院情報
服部胃腸科は日本消化器内視鏡学会認定指導施設に認定されており、年間約1万件以上の全国有数の内視鏡検査・治療数の実績を有しております。
熊本で胃カメラ・大腸カメラをご検討の方は、お気軽に服部胃腸科へご相談ください。
◆クリニック名
医療法人社団魁生会 服部胃腸科
◆所在地
〒860-0004
熊本県熊本市中央区新町2-12-35
TEL:096-325-2300