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ピロリ菌検査の基礎知識を知ろう!特徴や治療法などを紹介

胃がんの原因になるともいわれているピロリ菌は、年配の方だけではなく、若い方でも感染している恐れがある場合は検査を行う必要があります。10代で2%、20~30代では10~20%ほどの感染率とされているため、気になる症状がある場合は胃内視鏡検査などで詳細に検査して頂くことをおすすめします。65歳以上の方ではピロリ菌の感染率は80~90%にも達するといわれているため、心配な方はかかりつけ医に相談しましょう。

 

そもそもピロリ菌とは?

ピロリ菌の正式名称は、「ヘリコバクター・ピロリ菌」です。ピロリ菌は1980年代に発見されており、胃の内部にピロリ菌が発生していると胃潰瘍や胃がんの原因になるといわれています。ピロリ菌は60歳以上の半分以上の人が感染しており、多くは幼児期に感染するとされています。年配の方にピロリ菌感染が多い理由として、幼児期に井戸水を摂取したことや不衛生な食べ物を摂取したことがリスクとして考えられます。現代においても、幼少期の食べ物の口移しなどは、注意するようにしましょう。ピロリ菌はべん毛を高速回転させ、ドリルのように進む特性があるため、胃の粘膜や壁を傷つけてしまう特徴があります。

ピロリ菌に感染すると、慢性的な胃炎を引き起こすようになります。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんなどの症状が進むと腹痛や貧血、体重減少などを引き起こすケースもあります。慢性胃炎を発症すると、胃の不快感や膨満感、吐き気や食欲不振などの自覚症状があります。消化器系の症状が長期間続いている場合は、放置せずに病院に受診することが大切です。

ピロリ菌は、自然にいなくなることはありません。そのため、ピロリ菌の感染を確認したら、速やかに除菌治療を行う必要があります。ピロリ菌に感染すると、口臭に卵が腐ったような匂いやアンモニア臭が混じったように感じるケースがありません。歯磨きで口内を清潔にしていても口臭が刺激臭になったと感じる場合は、かかりつけ医に相談することをおすすめします。

 

ピロリ菌検査の種類や特徴

ピロリ菌の検査は、保険適用にはならないため注意が必要です。ただし、胃カメラで胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍が確定している患者様や早期胃がんに対する内視鏡治療後の患者様の場合は保険適用となります。保険適用に該当するかわからない場合は、担当医に確認すると良いでしょう。
ピロリ菌検査には、以下のような種類があります。
・胃カメラ検査
・鏡検法
・培養法
・尿素呼気試験
・迅速ウレアーゼ試験
・血中ピロリ菌抗体測定
・便中抗原測定法
胃カメラを使用する検査は、鏡検法、培養法、迅速ウレアーゼ試験が該当し、胃カメラを使用しない検査は抗体検査、尿素呼気試験、抗原法などが挙げられます。培養法の場合は5~7日ほど培養して検査結果が明らかになり、抗原法は2~3日後に結果が明らかになります。

 

ピロリ菌の治療法

ピロリ菌は「抗菌薬」と「胃酸を抑える薬」の3種類の薬を服用することで、70~80%ほどの人が1週間ほどで除菌できます。除菌が成功しなかった場合は、二次除菌療法を1週間行います。ピロリ菌に耐性がある患者様の場合は、一次除菌療法で除菌できないケースがあるため、そのような場合に二次除菌療法を行う流れとなります。ピロリ菌の除菌を行う際の費用は、3割負担で一次除菌が6,000~7,500円前後、二次除菌で12,000~14,000円前後だといわれています。

除菌療法を受ける際に、アレルギー症状を起こしたことがある方や風邪薬や抗菌薬で副作用が出た経験がある方は、治療前に担当医に申告するようにしましょう。また、除菌薬を服用した際に味覚障害や消化器症状が起きた方は、担当医に相談する必要があります。

 

ピロリ菌の予防方法

発展途上国では、上下水道の生活インフラが整えられていないケースが少なくありません。そのため、発展途上国へ旅行をする際などは、非衛生的な水や食べ物は口にしないようにしましょう。ピロリ菌を除菌しても、慢性胃炎や胃がんのリスクがゼロになるわけではありません。定期的に内視鏡検査を受けるようにするなど、再発防止に努めることが重要です。

 

ピロリ菌の殺菌効果がある飲み物として、ココアやウーロン茶、紅茶などが挙げられますが、完全に殺菌できるわけではないため注意しましょう。また、日ごろのストレスや喫煙、暴飲暴食は、ピロリ菌感染との相乗効果で胃がんや胃潰瘍などのリスクを高める原因となります。

 

消化器系の気になる症状が続いている場合には、1日3食を基本として、早食いや飲みすぎは控えることが大切です。カフェイン入りの飲料や香辛料などの摂取は控え、消化の良いうどんや魚、たっぷりの野菜を摂取することがおすすめです。

 

ピロリ菌を予防することは、胃炎や十二指腸潰瘍、胃がんを予防することにもつながります。ピロリ菌を除菌することで、新しい胃がんが発生する確率を抑えられることがメリットです。消化器系に不安を抱えているかたは、お気軽にご相談ください。

 

服部胃腸科

服部胃腸科は、全国有数の検査実績を持ち、幅広い世代の患者様から信頼を寄せて頂いております。はじめての人間ドックや内視鏡カメラを安心して受けて頂けるよう、患者様の気持ちに寄り添いフォローを行いながら、高精度な検査を提供いたします。
当院では女性も安心して検査を受けて頂けるよう、「レディースデイ」を設けています。検査の際には麻酔を使用することで、患者様の苦痛や不快感を最小限に抑えるよう努めております。
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