過敏性腸症候群(IBS)は、大腸に腫瘍や炎症などの病気がないにもかかわらず、腹痛や腹部の張りなどの違和感や便通の異常が数か月以上続く状態を指します。20~30代の若い方に多く見られます。年齢を重ねるごとに症状を訴える方が減少する傾向もあります。
過敏性腸症候群(IBS)のはっきりとした原因はまだ解明されていません。しかし、ストレスや過度な緊張、腸内細菌叢の変化などが関係していると考えられています。そのほかにも、粘膜の炎症や遺伝的要因が関与している可能性があります。
激しい腹痛と水っぽい下痢が突然起こり、排便後に苦痛が解消しますが、この腹痛と下痢が1日に何回も繰り返されます。過度の緊張や不安など心的ストレスがきっかけとなり発症することが多く、症状がまた起こるかもしれないという極度の不安が悪循環を招くこともあります。この場合、適切な治療を早めに行うことで症状が改善します。
腹痛や便秘、残便感、排便困難などの症状が現れます。排便のために強くいきむことで、いぼ痔や切れ痔のリスクが高まります。
激しい腹痛に伴い、下痢と便秘を繰り返します。
排便以外にも、腹鳴(お腹がゴロゴロ、グーグーと鳴る)、膨満感、無意識におならが漏れ出るなどの症状が現れます。
血液検査では、炎症反応や甲状腺疾患、糖尿病などの数値に異常がないかを確認します。大腸がんや潰瘍性大腸炎では、炎症の数値が上がることがあります。
便検査では、感染の有無(便培養検査)や便に血液が混ざっていないか(便潜血検査)を調べます。
大腸内視鏡検査では、大腸に感染性腸炎や炎症性腸疾患などの炎症や、大腸がんなどの腫瘍がないかを確認します。見た目には正常でも、生検による組織検査を行うことで、細かな炎症の程度を調べることができます。
規則正しい生活と十分な睡眠、適度な運動が推奨されます。ストレスを抱え込まないようにし、ストレスの原因をなるべく避けることも大切です。
症状に応じて以下の薬を処方します。
1日3食、規則正しくバランスのよい食事を心がけます。以下の点にも注意しましょう。