C型慢性肝炎はC型肝炎ウイルス(HCV)によって引き起こされる病気で、長期にわたる肝臓の炎症が特徴です。感染しても初期には症状がほとんど表れないため、気づかぬうちに肝硬変や肝がんへと進行する可能性があります。このため、定期的な検査と早期治療が非常に重要です。
C型慢性肝炎の治療は大きく進化しています。1992年にインターフェロン単独治療が始まり、ウイルス排除率は当初5%程度でしたが、ペグインターフェロンやリバビリンの導入により、排除率が50%程度まで向上しました。さらに、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)の開発が進み、治療成績は大幅に改善されました。
2011年に導入され、ペグインターフェロン+リバビリンとの併用でウイルス排除率が80%まで向上しました。
2013年に導入された後、同様の併用療法が主流となりました。
2014年からは、HCV NS5A複製複合体阻害剤(ダクラタスビル)とHCV NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤(アスナプレビル)の組み合わせが使用可能となり、経口剤のみの治療が現実的になりました。
経口薬による治療はウイルスのタイプや患者様の症状に応じて選択されますが、治療前に存在する薬剤耐性変異が治療効果に影響を与えるため、慎重な判断が必要です。また、治療が不成功に終わった場合、多剤耐性のリスクも考慮する必要があります。
当院ではC型慢性肝炎の治療を導入する際には、患者様を熊本大学病院へ紹介し、治療導入後は熊本大学病院と連携を取りながら、適切な管理とフォローアップを行っています。このような体制を整えることで、患者様の治療成績の最大化と生活の質の向上を目指しています。