炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease)は、潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)の総称です。これらの病気は、特に若年層に多く発生し、原因は不明です。UCやCDは寛解(症状が落ち着いている状態)と再発を繰り返し、長期にわたって病状が進行します。
現在、これらの病気を完全に治す治療法はありませんが、新しい薬の開発により治療法は進化しています。その中でも、分子標的薬は潰瘍や粘膜の損傷を治す効果があり、寛解状態を維持する薬として高く評価されています。
分子標的薬治療は、潰瘍性大腸炎(UC)およびクローン病(CD)に対する治療法です。食事療法や5-ASA、ステロイドなどの既存の治療で十分な効果が得られなかった患者様に対して有効です。この薬は炎症の原因となるサイトカインに作用し、その働きを抑制することで効果を発揮します。
当院では、初回の導入時は原則入院で行い、その後は外来で治療を続けています。現在、数十名の炎症性腸疾患の患者様が分子標的薬治療を受けており、寛解状態を維持しています。