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服部胃腸科で実施する内視鏡的止血法について解説します

内視鏡的止血法とは、簡単に言うと消化管からの出血が起こった際に、内視鏡を用いて患部の止血を行うための方法です。
食道や胃、十二指腸など消化管からの出血があると、吐血や血の混じった便などの症状が現れます。

原因として考えられる病気は、がんをはじめ十二指腸潰瘍、急性胃潰瘍、静脈瘤破裂、小腸出血、潰瘍性大腸炎などさまざまですが、出血量によっては命に関わる事態も起こりうるため、早急な対応が必要となります。

止血の方法は大きく分けて4種類あり、出血箇所や原因、出血量などの状態に合わせて適切な方法を選択します。

今回は、そんな内視鏡的止血法の4つをご紹介した上で、当院が採用している方法とその手順についてもお話ししていこうと思います。

内視鏡的止血法の種類①局注法

局注法は、出血が見られる患部に直接止血効果のある薬剤を注入することで出血を抑えるという方法です。

高張Naエビネフリン(HSE)法、純エタノール法、エトキシスクレロール法、シアノアクリレート、フィプリン接着剤といった方法があり、これらの薬剤の作用によって血管を固めることを目的としています。

内視鏡的止血法の種類②熱凝固法

熱凝固法は、従来からある止血の方法としても有名です。
レーザーを用いる方法や高周波を用いて出血点を焼灼して止血する方法、プラズマビームを発生させ止血する方法、その他にも当院ではヒータープローブ法やマイクロ波法などを採用しています。

いずれの方法も、電気やガスなどを通じて熱エネルギーを発生させて、出血が起こっている組織を焼き、凝固させることによって止血を促すものとなります。

熱で焼き切るといっても痛みや熱さを感じることはありませんのでご安心ください。

内視鏡的止血法の種類③機械法

内視鏡の先端につけたクリップを用いて、出血している箇所を抑えるクリップ止血法や、専用のリングを使って血流遮断を行い止血を行う内視鏡的結紮、バルーンを使って患部を圧迫して出血を止めるバルーン法などの方法を総じて機械法と言います。

機械法は、薬やレーザーなどを使用せず、直接患部の止血を行えることが特徴で、より安全性が高い点がメリットと言えます。

組織への侵襲が少なく止血効果が高いため、当院ではクリップ法を採用することが多く、患者様のさまざまな症例に合わせて処置を行っています。

内視鏡的止血法の種類④薬剤散布法

出血の可能性がある場合には、薬剤散布法という方法を用いることがあります。

具体的には、止血効果のある薬剤を散布する方法のことで、薬剤の作用やコーティングの力で出血を抑える方法で、他の内視鏡的止血法を行う際に合わせて用いることもあります。
広い範囲でのびまん性出血などが確認された際に用いられる方法で、使用される薬剤としてはトロンビン、アルギン散ナトリウム、スクラルファート、フィプリンなどがあります。

内視鏡的止血法のメリット

従来の外科手術に比べ、皮膚を切開する必要がないという点が大きなメリットです。侵襲が少ないことで患者様の体への負担も軽減され、術後の痛みも少なくなります。

また、緊急時にも迅速に対応できる処置であるため、急を要する消化管出血の治療にも即座に止血処置が施せます。内視鏡はただ体の内側を観察するためだけの機械ではありません。

患者様の体の状態に合わせてさまざまな役割を持ち、最先端の医療を実現することにつながると考えています。

服部胃腸科で用いる機械法の手順

数ある止血法の中で、当院は機械法を用いた止血の処置を積極的に行っています。主に使用するのはクリップ法で、患者様の状態に合わせて適切な処置が行えるように努めています。

クリップ法の手順としては、まず出血指定る部分を確認し、必要に応じて丁寧に洗浄を行います。
その後、内視鏡から止血用クリップを出して、出血している箇所を挟むように押し当てます。止血用クリップが患部を捉えたらクリップの口を閉じ、出血している血管を挟んで圧迫するように止血します。

最後に、内視鏡から止血用クリップだけが残るように先端を切り離して、きちんと止血できているかしっかりと確認します。

体内に残ったクリップは、数日〜数週間経つと自然に外れるため、再手術の必要はありません。処置を行った後は、絶対安静や絶飲食など、しばらくは生活に制限がありますのでご注意ください。

処置後は、力仕事やアルコール摂取、喫煙などもしばらく控えていただく必要があります。

医院情報

服部胃腸科は日本消化器内視鏡学会認定指導施設に認定されており、年間約1万件以上の全国有数の内視鏡検査・治療数の実績を有しております。
熊本で胃カメラ・大腸カメラをご検討の方は、お気軽に服部胃腸科へご相談ください。

◆クリニック名
医療法人社団魁生会 服部胃腸科

◆所在地
〒860-0004 
熊本県熊本市中央区新町2-12-35
TEL:096-325-2300